おいしいのに、売れないのはなぜか?

農産物販売のやり方で、
農家が最初に考えるべきこと
についてお話します。
「自分で農産物を販売したい」「農協に出すだけではなく、直接お客様に届けたい」
「せっかくいいものを作っているんだから、
もう少し高く売りたい」「直売所やネット販売にも挑戦してみたい」
……でも、
**「なかなか売れない」**
そんな悩みを抱えている農家さん、結構多いんじゃないでしょうか。
「味には自信がある」
「品質にも自信がある」
「安心・安全にもこだわっている」
「他の農家さんに負けないものを作っている」
それなのに、
**「なぜか売れない……」**
これ、農家にとっては結構つらいですよね。
そこで今日は、農産物を「どうやって売るか」という話をする前に、もっと根本的な話をしたいと思います。
農家の皆さん。
ちょっと考えてみてください。
あなたの農産物は、なぜ売れるんですか?
……こう聞かれたら、何と答えますか?
「おいしいからです」
「甘いからです」
「新鮮だからです」
「安心・安全だからです」
たぶん、
こんな答えが返ってくると思います。
もちろん、それは大事です。
でもね。
**今日は、そこじゃないんですよ。**
ここを一回、頭の中でひっくり返して考えてみてください。
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「売れる理由」を考える前に、
「売れない理由」を考えてみる
私のところには、「山下さん、農産物を自分で売りたいんですけど、どうしたらいいですか?」という相談がよく来ます。
そのとき、
「どこで売る?」
「いくらで売る?」
「どうやって集客する?」
という話をする前に、私はまず、
**「そもそも、なぜ売れないの?」**
と考えます。
実は、ものが売れない理由って、
そんなに難しくありません。
大きく分けると3つです。
一つ目。
**知られていない。**
その商品があることを知らない。
二つ目。
**信用されていない。**
商品は知っている。
でも、
「この人から買って大丈夫なの?」
と思われている。
三つ目。
**必要とされていない。**
知っている。
信用もしている。
でも、
「別にいらない」
ということです。
つまり、
「知られていない」
「信用されていない」
「必要とされていない」
この3つが、売れない理由なんです。
だったら、農産物を売りたい農家がやることも見えてきますよね。
**知られること。**
そして、
**信用されること。**
まずは、ここなんです。
「うちは販売しています」と、ちゃんと言っていますか?
私自身、スイカ農家だった頃に、面白い経験をしました。
我が家は以前、スイカを作っていました。
ところがね。
近所の人が、我が家にスイカを買いに来ないんですよ。
「なんで?」
と思うでしょう。
理由は簡単でした。
近所の人は、
「山下さんのところは、スイカを作って農協に出す農家」だと思っていたから。
だから、
「山下さんのところに買いに行っても、売ってくれないだろう」
と思っていたらしいんです。
結果どうなったか。
近所の人たちは、我が家ではなく、スーパーマーケットにスイカを買いに行っていた。
いやいやいや。
**目の前でスイカ作ってるのにですよ(笑)。**
これ、何が問題だったと思います?
品質じゃないんです。
味じゃない。
価格でもない。
「販売している人だ」と知られていなかった。ただ、それだけなんです。
だから私は農家さんに、
「名刺に『生産者』って書いてありますよね」と言います。
それだけじゃダメなんです。
「販売もしています」
って書けばいい。
ホームページにも、
「業務用販売しています」
「卸売しています」
「小売しています」
と書けばいい。
Instagramにも、
「販売しています」
と発信すればいい。
ものすごく当たり前のことなんですけど、
意外と農家は、これをやってないんです。
「作ってます」は一生懸命発信する。
でも、
「買えます」「売ります」は
発信していない。
これでは、お客様は買いようがありません。
まず、
「あ、この人は農家だけど、販売もしているんだ」と知ってもらう。
ここからです。
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そして、もう一つが「信用」
ただし、知ってもらっただけでは売れません。
次に必要なのが、
**信用です。**
そして、この「信用」というのが面白い。
信用って、誰に対しても同じじゃないんです。
市場に出荷するなら、市場の人から信用されなければいけない。
青果業者に卸すなら、青果業者から信用されなければいけない。
個人のお客様に売るなら、その消費者から信用されなければいけない。
つまり、
「誰に売りたいのか?」によって、信用の作り方が変わる。
例えば、あなたが新幹線に乗るとします。
そこで、
「この新幹線の運転手、30年間のベテランらしいですよ」
と言われたら、
「それなら安心だな」
と思いませんか?
ところが、今日の運転手
「昨日、高校を卒業したばかりの免許取り立ての子らしいですよ」
と言われたら、
「えっ、大丈夫?」
となる。さらには
「運転手さん88歳らしいですよ」
「AIが運転しているらしいですよ」
「運転手、さっき“あくび”してたらしいですよ」
……どうですか?
同じ「運転手」です。
でも、聞いた情報によって、あなたの感じる安心感は変わりますよね。
つまり、
**人は「情報」をもとに信用するんです。**
だったら農家も考えなきゃいけない。
「うちの農産物は安心・安全です」
だけじゃなく、
**「私は、なぜ信用できる人間なのか?」**
卸売り市場で信用されるには?
何を頑張れいい?
青果業バイヤーに信用されるには
何を頑張れいい?
ECサイトで売れるようにするには
何を頑張れいい?
買ってもらう相手によって
信用につながるポイントは違うのです。
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たとえば、私が病院を選んだ理由
これ、農業だけの話じゃありません。
私が最近通っている病院があります。
病院なんて、他にもいっぱいあります。
近いという理由もありますが、決め手になったことがありました。
そこの先生、
**毎日ブログを書いているんですよ。**
毎日、先生が情報を発信している。
それを見ていると、
「この先生、ちゃんとしてそうだな」
「なんか信用できそうだな」
って思うんですよ。(私の場合は)
これも信用なんですね。
※私がメルマガを定期的に配信しているのもそういう理由です(笑)
ほかにも、
飲み会のお店を決めるときも同じです。
「俺の先輩がやってる店だから」
「知り合いがやってる店だから」
だったら、行ってみようと思う。
なぜ?
**知っている人だから**
という
信用です。
でも、全く知らない町で店を探すときは?
食べログなどのレビューを見る。
つまり、
今度は、
**「レビュー」という他のお客様の声(情報)を信用している。**
人は、何かを買うとき、
「買っていい理由」
を探しているんです。
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だから、農家の皆さん。ここを考えてください。
あなたは、
**誰に買ってもらいたいですか?**
その人は、
**あなたのことを知っていますか?**
そして、
**その人は、あなたの何を見て「この人なら信用できる」と判断するでしょうか?**
ここまで考えてください。
「もっと高く売りたい」
「もっとたくさん売りたい」
「直売所で売りたい」
「ネットで売りたい」
その前に、
**「私は誰に、何を伝えれば、知ってもらえて、信用してもらえるのか?」**
です。
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農産物販売というと、
「品質を上げよう」
「もっとおいしくしよう」
「もっと甘くしよう」
という話になりがちです。
もちろん、それも大事。
でもね。
**どんなに素晴らしい農産物を作っても、知られていなければ売れません。**
そして、
**どんなに知られていても、信用されなければ買ってもらえません。**
だから私は、
**「作る技術」だけではなく、「知られる技術」と「信用される技術」も農家には必要だ**
と思っています。
農業は、
「いいものを作れば売れる」
という世界ではありません。
**「いいものを作る」
↓
「知ってもらう」
↓
「信用してもらう」
↓
「必要だと思ってもらう」
↓
「買ってもらう」**
ここまでが農業なんです。
だから、
「山下さん、うちの農産物、すごくおいしいんですけど、なかなか売れないんです」
という農家さんがいたら、私はこう聞きます。
**「それ、誰が知ってます?」**
そして、もう一つ聞きます。
**「その人は、なぜあなたから買おうと思うんですか?」**
ここを考え始めた瞬間、
農家の仕事は、
**「作る仕事」から「経営する仕事」へ変わります。**
農業は、作るだけじゃない。
売るだけでもない。
**「選ばれる理由をつくる仕事」なんです。**
さあ、あなたの農産物が選ばれる理由は、何でしょうか?
一度、畑ではなく、
**「お客様の頭の中」**
を耕してみてください。
そこに、あなたの農業がこれから生き残っていくためのヒントが、きっとあります。
農業界を明るく照らす
今日も一緒にこちらの脳を耕しましょう
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