なぜ?農産物直売所運営は行き詰るのか

なぜ?農産物直売所運営は行き詰るのか

こんにちは。全国で講演、セミナー研修など行っている

農業講演家の山下弘幸(やましたひろゆき)です。

農業歴35年。親元就農後、個人、法人の農業経営を経て

農業コンサルタントに転身し、

現在、新規農業者、若手農業者、企業農業参入支援などをしています。

具体的には、稼げる農業を実現する

”1歩先行く農業者”のオンラインコミュニティ

「農業ビジネススクール(農ビジ会)」を主催し

全国200名の農業者と毎月勉強会や情報交流を行っています。

また、定期的に更新しているyoutube(農テラスチャンネル)では

全国の農業者へ「農業経営・農業ビジネス」の最新情報をお届けしています。

 

さて、今回の山下弘幸農ビジコラムテーマは

なぜ?農産物直売所運営は行き詰るのか

私は農業経営コンサルが主な業務ですが、それ以外でご依頼の多い

直売所運営について課題と対策についてまとめてみました。

 

直売所を運営されているご担当者様やこれからファーマーズマーケットを

作ろうとされている方へ直売所経営成功のポイントをお伝えいたします。

 

直売所が成功するためには、適切な規模と立地のバランス、地域の特性を最大限に活用し、地域ごとの違いを明確に認識することが重要です。

例えば商圏が広ければ成功しやすい反面、ライバル店も多くなります。

 

一方で直売所を運営する上では、運営者の異なる背景による方針のずれや、従来の小売業とは違う特有のアプローチが必要なこと、そして地域縛りのジレンマといった課題も存在します。よく多いのが小売店(スーパー)などを経験してきた方が店長をやる。そうなると

その直売場はスーパーとの差別化ができなくなります。

 

品揃えについては、地域縛りと商品ラインナップのバランスが難しいですが、季節やニーズに応じて柔軟に対応することが重要です。また、地域外商品の適切な取り扱いを明確化することで、安定的な運営が可能になります。つまり、地域の特性を出し過ぎると品揃えで苦労することになります。

 

直売所のビジネスモデルとしては、スーパーマーケットとの明確な差別化が必要で、特にデジタル化や買い物代行サービスなどの新しい取り組みが効果的です。

明確にすべきは「農家」が主役の店にすることです。

 

消費者とのコミュニケーションを強化するためには、積極的な情報提供や魅力的な店内情報展示を行い、顧客の関心を引き付けることが必要となります。

具体的なマーケティング戦略では、リストマーケティングの導入は必須です。ほかにも従来型広告からの脱却し、農家から直接買いたい、農家とつながりたいという食に対する安心感を訴求できると効果的です。

 

直売所特有の課題としては、

生産者との信頼関係構築

高齢顧客へのデジタル対応

利益率や価格設定の課題

品薄時期への対応があります。

特に農家との関係性では、農家の値上げに対する理解を深めるなど、丁寧なコミュニケーションが求められます。

そのために集荷システムの導入はおススメです。店舗スタッフが農家へ庭先集荷をすれば

自ずと店舗と農家の一体感が生まれます

 

運営上の具体的な課題としては、スタッフの販売スキル向上、生産者規模の拡大、そして販売力を高める取り組みが重要です。

 

価格戦略では意図的に高価格設定をしてスーパーマーケットと差別化を図ります。

高価格設定にするにはプロモーション戦略が必要です。

具体的には農家の人柄や個人情報を活用して、顧客との共感を生み出すことが重要です。

 

新しいコンセプトの直売所として、農家を主役に据え、そのストーリーを伝えることで、顧客のロイヤリティを高めることが成功の鍵となります。

 

今回はなぜ?農産物直売所の運営は行き詰るのかについて

私のコンサル実例をもとにまとめてみました。

関係されているかたは是非ご参考ください。